あさひコラムColumn

QGIS

中学校総合学習でのQGISを用いた学習事例

大阪府豊中市立第一中学校(髙橋武彦校長)では、総合学習として、生徒有志50名ほどによる「地域守り隊」が校区内をまわって危険な塀や看板を調べて写真に記録し、また災害時に役立つ施設なども調査して、それらをGoogleマイマップに登録して、校区の防災マップとして整理されています。

これまで地域守り隊の活動を支援されてきた読売新聞社では、生徒たちが作成した防災マップを新聞の折り込み広告として、地域の皆さんにお届けする協力を予定されています。読売新聞大阪本社から相談を受けた朝日航洋は、地図の印刷に関してライセンスフリーなQGISの利用を提案し、印刷レイアウトの設定方法を生徒たちに指導させていただくこととなりました。

朝日航洋では、生徒たちが調査されたGoogle マイマップの防災マップデータをKML/KMZ形式でダウンロードして、これらをQGISで編集できるようにGeoJSON形式に変換しました。このほかに地理院タイルやOpenStreetMapの背景図や、OSMから抜き出した道路ライン(highway)、国土数値情報のハザード情報なども付加したQGISのデータセットを、中学校に提供しました。

2024年7月22日、夏休みのとても暑い日に豊中市立第一中学校のパソコンルームに地域守り隊の20数名の生徒たちが集まり、校長先生からのあいさつの後、朝日航洋から生徒たちが作成したGoogle マイマップからデータを抜き出せることや、それを別のGISアプリで利用できること、地図には自由に使える地図と自由には使えない地図があることなどを説明してGISというものを初めて使っていただきました。
 

講義の風景

限られた時間内での体験のために、GISの操作は、地図の移動と拡大縮小程度にとどめて、主に印刷レイアウトの設定について、実際に触っていただきながらの説明を行いました。生徒たちの操作には読売新聞社と朝日航洋の社員が寄り添ってQGISの使い方を指導して、それぞれに防災マップの印刷レイアウト作成体験を行っていただきました。
生徒たちの多くは、初めて使うQGISに怖気もせず、印刷レイアウトの作成に立ち向かっておられました。はじめは難しそうに戸惑っていた生徒たちも、次第にQGISの印刷設定になじまれて、用紙の配置、地図の範囲や大きさ、表題や説明文書、アイコンや方位記号など、生徒たちそれぞれに特色のある防災マップをプリンターから印刷されていました。

今の若い子たちの、吸収力の高さを思い知らされた一日でした。

QGISを用いて作成した防災マップ

最後に集合写真

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