あさひコラムColumn

news

首都直下地震への備えを考える

今からちょうど100年前の9月1日は関東大震災が発生し、墨田川周辺の浅草、日本橋、銀座、本所、深川などを中心とした大規模な火災で多くの方が亡くなりました。関東大震災による死者は10万人を越え、その約9割は火災によると言われています。

震災予防調査会(1925)震災予防調査会報告第百号乙

大規模火災で焼失した地区は復興計画に基づき火災対策を施した市街地整備が実施されましたが、その外周部を中心に今でも木造住宅密集地域(木密地域)が広範に分布しています。そのため、今後想定される首都直下地震では、これらの木密地域では大規模火災の発生が懸念されています。

火災の対策が必要な地域(不燃化特区)(東京都資料に加筆)

大規模火災が発生すると市街地の避難場所が使えなくなり、避難場所が絶対的に不足します。そこで注目したいのが、荒川下流域部の河川空間です。荒川の河川敷は東京都の避難場所に指定されていますが、その他にもヘリポートや自衛隊、消防、警察などの全国からの応援部隊の活動拠点となることが想定されます。

大規模震災時に荒川の施設を有効に活用するため、荒川下流河川事務所では、周辺自治体及び防災関係者と共に「荒川下流防災施設運用協議会」を設立し、利用想定やルールをまとめた活用計画を策定し、毎年のワークショップや訓練で見いだされた課題に対応し、計画をブラッシュアップしています。

参考:荒川下流防災施設運用協議会 https://www.ktr.mlit.go.jp/arage/arage00127.html

河川敷の利用想定(活用計画より)https://www.ktr.mlit.go.jp/ktr_content/content/000645963.pdf

これらの取り組みは(一財)河川情報センターにより運営支援が行われていますが、当社も当初の平成20年から16年間継続して図面作成、ワークショップ運営補助、ヘリ実働訓練などでサポートをしています。なお、本業務は航空事業と空間情報事業のコラボという朝日航洋の強みが活かされており、今後も地域の安全・安心のために当社ならではの防災対策支援を実施していきたいと思っています。

当社運航による国交省ヘリ「あおぞら号」の雄姿

Other Columnその他のコラム

コラム一覧を見る

TOP