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QGIS
コントリビュータとしての QGIS へのかかわりの勧め
コントリビュータとしての QGIS へのかかわりの勧め
QGIS はオープンソースソフトウェアです。どこかの企業等が開発全体を管理しているソフトウェアではありません。QGIS を開発しデバッグしているのは有志によって構成されている QGIS コミュニティです。
皆さんが地理空間情報を使ってやりたいことがある場合は QGIS を利用する自由があります。また QGIS を利用するときに費用を払う必要はありません。では誰がそのようなパッケージを作成しているのでしょうか?
最近えらく高機能で使い方もむつかしくなった QGIS の開発やパッケージ作成、ドキュメント作成は当然有志によって構成されるコミュニティによって行われています。そしてその作業には誰でも参加をすることができます。コミュニティへの参加方法は以下のページに解説があります。
QGISコミュニティに参加する
QGISコミュニティ
QGISプロジェクトの全体像は以下のページにあります。
QGIS.org全体像
QGIS コミュニティにはいろいろなグループがあります。QGIS 改良や普及のためには様々な業務があり、誰でも参加することができます。 QGIS コミュニティはプログラム本体だけでなくマニュアル、チュートリアルのドキュメント、WEB ページ等様々な資源を管理しています。現在 QGIS のプログラムは常に機能の更新が行われています。それにともなって各種ドキュメントや WEB ページも更新や翻訳の必要があり、多くの作業が発生しています。
コントリビュータ
そのような QGIS のプログラムや文書等の改良作業をおこなったり、作業のための資金援助をする人たちのことをコントリビュータといいます。
QGIS を使うためになんらかのお金をはらう必要はありません。
しかし多くのコントリビュータの作業によって QGIS が利用できるようになっています。彼らが願うのは多くの人が空間情報をうまく利用することです。
「彼ら」と書きましたがだれでもコントリビュータになることはできます。
QGIS のプロジェクトは誰か他人がやっているものでなく、自分もプロジェクトを進める側になることが簡単にできます。
QGIS を使うことによってあなたに何かいいことがあるなら、なんらかの方法でプロジェクトの発展に寄与してみませんか。
どのような貢献ができますか?
QGIS に対する改良意見やもっといい機能のアイデアがあれば、それを実装するための提案をすることができます。プログラムの不具合、ウェッブサイトやマニュアル、プラグインの不具合を報告することができます。
https://qgis.org/ja/site/getinvolved/development/bugreporting.html
QGIS に関する各種ドキュメントの作成、整備にかかわることができます。(英語ですが)
https://qgis.org/ja/site/getinvolved/document.html
QGIS プログラム本体のメニュー各種メッセージの翻訳や、ドキュメントの翻訳を行うことができます。
https://qgis.org/ja/site/getinvolved/translate.html https://yoichi-46.hatenablog.com/entry/20131231/1388416417
C++ のプログラムができる人でしたら QGIS のコア機能の開発や改良で寄与することができます。Python のプログラムができればプラグインを開発して QGIS の機能の拡張を行うことができます。
https://qgis.org/ja/site/getinvolved/development/index.html
プログラムのテストを行うことができます
https://qgis.org/ja/site/getinvolved/tests.html
QGIS コミュニティの運営やシステム開発、インフラ維持のために寄付をすることができます
https://qgis.org/ja/site/getinvolved/donations.html
QGIS の普及や開発のための各種イベントに参加したり、イベントの運営にかかわることができます。 次回の QGIS Contributors Meeting は 8月23日から 25日にルーマニアのブカレスト大学で開催されます。
https://github.com/qgis/QGIS/wiki/23rd-Contributors-Meeting-in-Bucharest
国内だと OSGeo 日本支部が各種 QGIS イベントにかかわっています。
https://www.osgeo.jp/
7月12日- 13日には札幌で FOSS4G HOKKAIDO が開催されます。
https://foss4g.hokkaido.jp/index.html
世界中の空間情報利用者と知見を共有しましょう!
QGIS への貢献にはいろいろな方法があります。
QGIS とのかかわりはユーザとしてかかわることができるのはもちろんです。しかしコントリビュータとしてかかわることで QGIS にどういう改良があったらもっと便利になるかとか QGIS のマニュアルや WEB サイトの文章をもうちょっとわかりやすくできるんじゃないかとかいうことにかかわることができます。
そして、このコミュニティに参加することで世界中の空間情報をあつかっていろいろな課題と向き合っている人とつながることができます。
QGIS のプラグインプログラムは世界中の人が空間情報を利用するためのそれぞれの課題に対処するために作ったものです。それらのソースコードは公開されているのでそこにこめられた課題解決のための知見が共有されています。この共有の輪にはいることはとても有意義ですし楽しいです。
QGIS を空間情報利活用のためのツールとして使えることはもちろんですが世界的な QGIS コミュニティ(オープンソース GIS コミュニティ)とのかかわりの手段とすることもできます。いろいろ試してみることをお勧めします。
現代の生活においてデジタルデバイスとインターネットは欠かせないものになっています。
インターネットの様々なサービスや仕組みの発展にはオープンソースの OS である Linux の存在と普及がおおきな力を発揮してきました。それと同じようにモダンな空間情報利用のためにはそれをあつかう基本ツールである QGIS の発展がおおきくかかわるのではないでしょうか。 QGIS の維持と普及はコントリビュータの存在がなければできません。
なにかできるところからコントリビュータになってみましょう! (嘉山 陽一)