あさひコラムColumn

QGIS

QGIS の勉強方法その1 - まずは書籍でしょ

QGIS は難しいのか

オープンソースソフトウェア製品は気軽に使えるので、インストールはしてみたものの、いざ使おうとしたときに、「起動後、何したらいいの?」、「このソフト、難しい…」となってしまい、その場で二度と起動することなくお蔵入りするなんて経験ありませんか?
QGIS は地理情報システム (GIS) なので、これをインストールする方は、ある程度の覚悟とその道のスキルを持った方であるとは思いますが、そういう方であっても、心が折れた方がいるかもしれません。

平成時代前半まで GIS のシステムエンジニア兼プログラマをやっていた筆者の感覚ですが、グラフィカルユーザインタフェースの普及とともに、ソフトが使いやすくなり、マニュアルを読まないでいきなりソフトを使い始める文化がデフォルトになってきたのではと思っています。
言い換えれば、今どきのソフトはマニュアル無しで使えないといけないのかもしれません。

QGIS に話を戻すと、QGIS は汎用型のデスクトップ GIS。いろいろなことができるため、メニューもたくさんあり、その階層も深く、いわゆる「ボタンひとつで」というソフトではありません。
一方の QGIS のマニュアルは、QGIS 本体の開発の進歩が早いため、ボランティアの皆様方が頑張ってくれているのですが、なかなか日本語翻訳が追い付かないのが現状かと思います。
そういう環境であっても、QGIS のエキスパートたちは、どうやって QGIS を勉強して、使いこなしているのでしょうか?

QGIS ユーザガイド(外部サイト)

勉強といえば書籍

ベタに言えば「英語のマニュアルをちゃんと読みましょう」となりますが、英語が堪能な方でない限り、これはなかなか難儀です(Google 翻訳があるじゃないかとの指摘もあるかと思いますが…)。
好きか嫌いかは別として、小中学校でやってきた勉強って、紙の教科書があって、それでもって色々なことを学習してきましたよね。
なので、ネイティブジャパニーズが書いた日本語の QGIS 教科書で勉強したい方、たくさんいらしゃるのではと思います。だったらこれを探してみましょう。

お奨めはこれ

ここ数年、QGIS の機能や操作がわかりやすく、詳しく書いた書籍が出版されてきました。
そこで、筆者が見て、これいいなと思った書籍をいくつかご紹介します。


QGIS 入門 第 2 版
今木洋大、岡安利治編著、古今書院
http://www.kokon.co.jp/book/b313719.html
GIS の基礎から QGIS の個々の機能の解説、解析事例も紹介しています。

QGIS の基本と防災活用
橋本雄一編、古今書院
http://www.kokon.co.jp/book/b313719.html
QGIS とインターネット上で二次利用可能なデータを使ってハザードマップの作成方法、防災での活用事例を紹介しています。

オープンデータ+QGIS「統計・防災・環境情報がひと目でわかる地図の作り方」
朝日孝輔、大友翔一、水谷貴之、山手規裕 著、技術評論社
https://gihyo.jp/book/2019/978-4-297-10317-0
流行り(?)のカッパ出没マップを作りたい方にお奨めです。
冗談はさておき、こんなことをやりたいという目的をもって QGIS を使用される方向けに構成されています。

業務で使う林業 QGIS 徹底使いこなしガイド
喜多 耕一、全国林業改良普及協会
http://www.ringyou.or.jp/publish/detail_1409.html
QGIS の使い方が非常にわかりやすく丁寧に紹介しています。

書籍は高い?

今回は QGIS の勉強方法として、書籍で学習するためのお奨め本をご紹介しました。いずれも技術専門書ですので、決してお安い本ではありません。でも、考えてみてください。QGIS の利用等で行き詰って、何日もの時間を費やすことを考えると、これらの書籍で学習することで悩みが解決するのであれば、むしろ安い買い物といえるでしょう。

次は、インターネット時代ならではの教材についてご紹介したいと思います。(@メタ太郎)

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